アレルギーの重症化とステロイド |
Q 今年10歳になる子供のことなんですが、小さいときから喘息があり、昨春から吸入ステロイドを使用しています。 吸入ステロイドにより喘息発作は起きなくなったのですが、その頃からアレルギー性結膜炎になってしまい、小児科にて何の説明もなくフルメトロン0.02%が処方されました。アレルゲンはハウスダスト、ダニ、ほこりで、通年性アレルギーです。 昨年6月に学校の検診で視力低下を指摘され、一度近所の眼科を受診した折には、角膜まで炎症が及んでいるので・・とこのときもステロイド剤ということも、定期的に眼圧測定が必要との話もなくフルメトロンの0.1%が処方されました。アレルギー症状が治まってきた時には視力も戻る為、視力はアレルギーが影響しているのだろうとの結論のみで、後は小児科で薬をもらってくださいと言われました。 それからずっと1年以上症状も一進一退で、吸入ステロイド、ザジテンカプセル、オノンカプセル、フルメトロン点眼0.02%、、ペミラストン点眼0.1%を処方され続けています。 今春は特に目の著しい充血で目を開けるのも困難になり、セレスタミン錠を1ヶ月分だけ処方されました。最近になり、点眼もステロイドであると分かり非常にショックを受けるとともに、これほど何もかもステロイド尽くしで大丈夫なのか不安に思っています。昨年よりも目のほうも悪化しているように思えるので、ステロイドの副作用なども心配しております。 ステロイドの量が多いこと、症状が良くなっていない(むしろ悪化している)のに長期に投与されていること、他の治療法はないのかどうか教えてください。よろしくお願いいたします。 A 眼科で、ステロイド剤ということも、定期的に眼圧測定が必要との話もなく、フルメトロンの0.1%が処方されるのは、普通のことです。フルメトロンが眼圧に影響しにくい点眼だからです。ステロイドを使わなくても良いなら、誰も使いたくはありません。ステロイドでなければ改善が期待できないほど重症な場合、使わざるを得ません。他に手軽で確実な方法がないのです。たとえ副作用で眼圧が上昇しても、眼科医なら対処できます。また、短期間の眼圧上昇は怖くありません。ステロイドを使用せずに角結膜の病変が重症化する恐怖を眼科医は知っているので、そういう目にあいたくないのです。事前に詳しく説明して処方すべきですが、それで親が恐怖を抱いて、子供が適切な治療を受ける機会を失うこともあり、その場合の責任の所在は何処になるのでしょう。 眼科医が0.1%、小児科では0.02%を処方していたということですが、妥当な線です。0.02%はもはや副作用を心配するほどの濃度ではありません。また「著しい充血で目を開けるのも困難」な状態のアレルギーに対して、ステロイド点眼を使わないのは、眼科医としては非常識な部類です。ステロイドの副作用を心配するより、それでも悪化している病状を心配すべきです。悪化しているからステロイドを使っているのであって、ステロイドで悪化したものではないでしょう。眼圧が上昇しても何も症状は出ません。 面倒でも、目の治療を小児科でなく眼科でやっていただくのが良いでしょう。そして副作用が心配なら眼科医と相談して、診察のたびに眼圧を測定してもらいましょう。根本的な治療法としては、「減感作療法」というものがあります。数ヶ月から数年かかる大変根気の要る治療法ですが、成功すればステロイドは不要になります。ネットで検索してみてください。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2008-05-29 10:32
| アレルギー
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