調剤薬局で眼圧を聞かれるのですが |
今日は、薬局に抗議に行きました。 緑内障の患者さんの眼圧を、その都度聞くというので、「薬局で眼圧を聞いて、もし、それに対する評価や感想を、薬剤師が患者さんに一言でも言う事があるのなら、即刻やめてもらいたい。」という内容です。 解りやすいように、Q&A形式で説明してみます。 Q(架空です) 数年前から、緑内障で眼科に通っています。視神経にも視野にも少し変化があるということですが、点眼で治療を始めてから安定した状態を保っているということです。一つ疑問に思う事があるのですが、調剤薬局の事です。調剤薬局に、処方された点眼を購入に行くたびに、眼圧が幾らだったかを聞かれます。眼科で聞いた数値を答えているのですが、薬局で聞いて何か役に立つのでしょうか。眼圧によって、薬を変更したりとかするのでしょうか。それとも、眼圧によって、薬剤師が眼科医にアドバイスをするものなのでしょうか。 A 薬局が患者さんの眼圧を知っても、何の役にも立ちません。視神経の状態と経過、視野の状態と経過、隅角の状態と経過、その他いろんな情報が無い薬局では、眼圧を評価するのは絶対に不可能です。10~20が一般的な眼圧の正常値ということだけを根拠に、千差万別の緑内障を治療していく事は出来ません。したがって、薬局に眼圧を知らせても、患者さんのメリットは間違いなくゼロです。 患者さんのメリットはありませんが、デメリットはあります。薬剤師がその眼圧に対して何か言った時、眼科医の説明と違った場合、患者さんは混乱します。例えば、正常眼圧緑内障で10ぐらいの眼圧を目標に治療しているのに、「眼圧12なら十分に低いですね」というような間違った説明をされ、患者さんがそれを真に受けたら、治療が疎かになり緑内障は進行してしまうかもしれません。眼圧22で安定している高眼圧症に「22は高いですね」の一言で、「眼圧が高いだけで視神経に変化を認めない高眼圧症に点眼を出さない」良心的な眼科医が、やぶ医者扱いされたりします。 ではなぜ眼圧を尋ねるのでしょうか。薬局では、処方した薬が正しく使われるように指導する必要がありますので、その一環として聞いてくるのだと思います。もし聞かれたら、正直に答えても良いですし、適当な数字を言っても問題は無いでしょう。知らないと言っても良いでしょう。それに対する薬剤師のコメントがあったら、聞き流してください。疑問点は薬剤師にではなく、眼科医に聞いてください。あなたの目のことを知っているのは眼科医だけです。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2007-06-01 23:24
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