運動中にボールが見えなくなる |
Q はじめまして。友人のことでご相談致します。 友人はテニスをしているのですが飛んでくるボールが薄くなって(コマ送りのような感じで)見えなくなるようです。最初は見えてもある程度プレーをするとそのようになり、まるっきりボールがラケットに当たらなくなりテニスができなくなります。動いているボールは見えなくなりますが周りは見えているようです。暫く時間が経つと回復します。 今まで何カ所か眼科で診てもらっているのですが「異常なし」と言われています。神経内科も行きましたが同じでした。本人は現に見えなくなるので「おかしい」と医者に言っても、異常なしという診断にとても不安になっています。もし何か可能性のあるものがわかりましたら教えて頂けますでしょうか。ちなみに、友人は「今思えば子供の頃にボールつきしていて見えにくかったような気がする」と言っていました。どうか宜しくお願い致します。 A 「異常なし」という診断は間違いです。異常が無いのに症状は起こりません。症状が出ている時は何か異常が起こっています。にも拘らず「異常なし」ですませる医師は「能力なし」かもしれません。そういう場合には、「検査では異常がみつからない」ので「わかりません」と正直に言うべきです。 見ようとするものが見えなくなるというのは、中心暗点または傍中心暗点というものだと思います。しかしその症状が、ある程度運動を続けた時に発生しますので、安静時の検査で解らないのだと思います。運動をした直後に視野検査を出来れば、はっきりすると思いますが、普通の眼科では無理でしょう。研究熱心な眼科医か大学病院とかなら、何とか原因を究明してくれそうな気がします。 具体的にどういう順序で症状が起こっているのか、さっぱり解りませんが、想像出来ることを書いてみます。 運動によって、全身の筋肉が酸素を要求します。その酸素を供給するために呼吸数も脈拍も増加します。しかし、筋肉の方にばかり酸素が行ってしまって、視神経か脳の視覚領域に酸素が十分に供給されなくなったのではないか。 閃輝暗点という症状があります。脳血管が一時的に収縮して視野の中央が見えなくなったりキラキラしたりします。運動による過呼吸で体内に酸素が取り込まれすぎ、それに反応して血管が収縮し、閃輝暗点が起こったのではないか。 視神経や視覚に関係する脳の部分の近くに腫瘍か何かがあり、運動によってそれが大きくなり、視神経や脳の一部を圧迫して暗点が出来たのではないか。(これならMRIなどで見つかるはず) このような事が考えられますが、あくまでも想像であり、全く確信はありません。機能的な変化による症状と思われますので、器質的な異常を見つけるための検査では異常なしになってしまいます。大学病院等の深く追求してくれそうな病院の受診をお勧めします。 |
by kounoganka
| 2007-05-14 12:18
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