網膜の血管(?)が見える |
Q 拍動にあわせて視界がチカチカすると言うような質問がありますが、私は、強い咳をしたときに目の血管が見えます。更に、不整脈の期外収縮で目の血管が見えます。眼科に行っても異常無しと言われました。 最近は拍動に合わせて頻繁に見えます。失明するのかもと思い怖くなります。 A 若い方の眼底写真です。 これを緑の線で切った断面(OCT像)は、下のようになります。それぞれ黄色矢印は静脈、赤矢印は動脈です。 動脈も静脈も網膜の表面近くを通っています。光を感じる網膜の視細胞は網膜の一番深いところに存在します。光の方向は上から下で、網膜の視細胞には血管の影が常に映っているはずです。しかし、血管の影は網膜に対して動きがありませんので見えません。視細胞は光の変化を感じる細胞ですので、変化がなければ見えないのです。 ところが、咳き込んだり期外収縮が起こったりすると、一時的に急激に血圧が上昇し、それを受け止めるために若い弾力のある動脈は太くなります。その瞬間、動脈の下にある視細胞が、太くなった動脈に圧迫され、光を感じたのと同様の信号を脳に送り、血管が見えると感じるのです。強いて言えば光視症の一種です。動脈硬化の強い人には起こり得ない、血管年齢が若い人にだけ起こる症状ではないでしょうか。 それ以外の症状、充血、眼球突出、耳鳴り、複視等の頸動脈海綿静脈洞瘻を疑わせるような症状が無ければ、このまま様子を見ていいんじゃないでしょうか。 ★ご質問は河野眼科ホームページから
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by kounoganka
| 2019-11-21 09:25
| 何かが見える
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