完全矯正は必ずしも必要でない |
Q 3歳児の-5の乱視について相談させていただいているものです。 前回の回答に、メガネだと中途半端に歪みが残るとありましたが、どの程度のものなのでしょうか。例えば、黒板の字や小説の文字などを読むことも困難となる可能性もあるのでしょうか。 また、メガネでの完全矯正が難しい場合、他にはどのような方法があるのでしょうか。将来的にもコンタクトはこの乱視の度数では難しいのですよね? A もう、お子さんは危機を脱したのですから、無闇に心配しないように。前回の回答をよく読んでください。「網膜に映る像の縦横の伸び縮み」という意味での回答の「中途半端」です。「本人が感じる歪み」という意味ではありません。 光学的な話なのです。-5ジオプターの乱視には-5ジオプターの乱視のレンズを使わなければ完全矯正にはなりません。ところがそれをやると、今まで乱視があるのが普通だった目にとっては、逆の乱視が加わったように感じるのです。ですから、眼鏡は緩く処方します。 普通、小さいお子さんには完全矯正に近い度数を入れます。乱視で過ごした時間が短いですので矯正状態に慣れやすいからです。逆に年長の子に初めて処方する場合は、緩くせざるを得ません。その分、最終的な視力に少しは差が出るのです。2.0出るはずの眼なのに1.2とか1.5までしか出ないという事です。これでは不十分でしょうか。 以前の回答に「半分ぐらいの矯正度数のメガネで1.2の視力が出ておりました」とあるように、半分の矯正でも視力は出るようになるのです。もちろん半分の度数のコンタクトでも然りです。ちなみに、この方は5歳から乱視のメガネをかけていたそうです。 ところで、乱視というのは決して特殊なものではありません。10人に9人、いや、30人に29人ぐらいが乱視持ちです。大多数の方は少しの乱視を持ったまま、それを矯正せずに視力1.5ぐらいで普通に生活しています。ですから、5ジオプターの乱視に4ジオプターの眼鏡をかけて1ジオプターの乱視が残っていても、全く気にする必要もないのです。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2016-11-08 16:09
| 視力・斜視
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