視野の結果が全く違う |
Q 先月、透明の細胞のようなものがみえるので、網膜剥離が心配だったため眼科を受診しました。また、親族が緑内障なので緑内障もみてもらいました。 眼底写真と先生がレンズでみたところは異常なしだったんですが、心配ならしてみる?ということで視野検査をしました。結果は左目左下を中心に半分ほど真っ黒でした。 一週間後にOCTと視野検査をもう一度行いました。OCTは正常とは言えない、視野検査は前回ほどひどくないが同じ場所(左目左下あたり)があやしいという結果でした。 そこで次はゴールドマン視野検査をしてもらいました。すると、ハンフリーで見えていなかった部分は見えているが、今度は両側の鼻側下がみえてないんじゃないか、と言われて脳外科にいきなさいと言われました。 脳に異常がなければ、またゴールドマン視野検査をする(レンズの調節がうまくいっておらず、中心部が正確に測れなかったため)と言われました。 まとめると、可能性としては、良くて「精神疾患」マシなのは「緑内障」1番怖いのは「脳の病気」と言われ不安がさらに増した状態で帰宅しました。 一方、別な眼科でもOCTを撮ってもらった結果は「正常じゃないけど、強度近視のひとがよくなる形。緑内障じゃないと思う。」と言っていました。 わたしは不安を強く感じやすいのでハンフリーもゴールドマンも正確に測れているのか心配です。かかっている眼科の先生は患者さんを怒鳴りつけたり、あまり詳しく説明しないので毎回不安がつのっています。 1.河野先生にお聞きしたいのは、やはり脳外科で検査をした方がいいのか。 2.ハンフリーで異常が出ている部分がゴールドマンで一致しないこともあるのでしょうか。 お忙しいとは存じますが、ご回答していただければ幸いです。 A 1.もちろん脳外科で検査をした方が良いでしょう。異常がないことを確かめ安心するためですよ。もう一度別の検査員によって、または別の手順でゴールドマン視野検査をしてからでも遅くないと思いますが。 2.ハンフリー(静的量的視野)では網膜上の基準点(例えば正面直径60度の範囲に76点)それぞれの感度を測定します。一方ゴールドマン(動的量的視野)は光を端から中心に向かって動かして見えるようになる位置を測定するもので、視野の形を把握できます。だいたい一致するのが普通です。しかし、片眼耳下側欠損と両眼鼻下側狭窄のような違いは出ません。 ゴールドマンは人間が測定しますので、検査員の力量で結果は大きく違ってきます。例えば何らかの理由で検査の終盤に反応が悪くなる人を検査する場合を考えてみましょう。もし両眼とも鼻上側→耳上側→耳下側→鼻下側という順に測定したら、鼻下側あたりで反応が悪くなりその部分の視野が狭くなったように測定されます。そこで終わると両眼鼻下側の視野狭窄と診断されます。そのまま続けて再び鼻上側を測定すると、今度は鼻下側よりさらに感度が低くなり、螺旋(らせん)状の視野として測定されます。前者は緑内障の疑い、後者は心因性視覚障害の疑いとなります。 自分なら、今までのことは忘れて、「別な眼科」で定期的に通院して経過観察をしてもらいます。選択は自己責任で。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2013-12-06 11:57
| 眼科検査
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