強度近視と白内障手術 |
Q 「両目が強度近視の場合の片目だけの白内障手術による不同視」についてです。現在のメガネの矯正:右マイナス14ジオプター、左マイナス12ジオプター 。眼科の先生いわく、左は5段階で2程度、右は5段階で3程度の白内障進行状況とのこと。左目は、いまだ矯正で1.2の視力が出ています。問題の右目は、かろうじて0.8の矯正視力です。 来年の春先には右の手術を、と思っていましたが、メガネでの矯正となると、弱い近視を残した度数とした場合、左がマイナス12ジオプターもあるので、物の大きさが異なる不同視は避けられず、対象物が両眼視できないのでは、という不安があります。 選択肢としていくつかあると思いますが、両眼とも強度近視者が片目だけ手術する場合のタイミングの考え方や片方だけの手術のメリット、デメリット等をご教示いただければありがたいです。 選択肢1 症状の進んでいる右目だけ先に手術し、左にあわせてなるべく強い近視(マイナス5から6くらい)を残す。メガネで矯正可能か?それでも左との差は5ジオプター分くらい残ってしまうのでやはりメガネは無理?。そうなると、いずれ手術する左も強い近視を残さないとバランスがとれない。 選択肢2 症状の進んでいる右目だけ先に手術し、弱めの近視で眼内レンズを設定する。コンタクトで矯正? 選択肢3 右目の症状が進むのをまって、両方同時に手術する。同時ならば仕事と生活のスタイルに併せて度数の設定が可能?(同時に手術する不安。左の自覚症状がそれほどでもない状態で手術することへの不安。左が進む間に、右がさらに進んでほとんど見えなくなってしまうのでは、という不安。) みえる対象物の大きさが異なってしまう不同視は、私の場合は、もはや、いかんともしがたいもののような気がします。考え出すときりがないことは、充分に分かっているのですが、なにとぞアドバイスをお願い申し上げます。 A どの選択も「あり」でしょう。それぞれの人が、生活や仕事とのかかわりを考えて決めることでしょう。 当方が考える「まず重視すべきこと」は、十年後二十年後の将来、コンタクトを入れられず眼鏡が手元に無い状況でも、日常生活が快適に送れるかということです。そのためには術後の度数が重要で、軽い近視であれば特に不自由なく大丈夫なのではないかと思います。具体的には、マイナス1から2ジオプター、つまり1メートルから50センチにピントが合うということです。裸眼でテレビも新聞も見え、遠近両用眼鏡があれば運転も細かい作業も問題ありません。ということで選択肢1は却下です。 視力が良くても、5分の2程度の白内障があるのなら手術は可能です。問題はその間隔ですね。右の手術を申し込む時期に左も見難い様なら、問題なく両眼ほぼ同時期手術が可能で、手術直後に眼鏡を作成すれば、不便な期間も最短ですみます。 最近の白内障手術は、傷も小さく術後の度数の変化も小さいため、早期の眼鏡作成でも問題を起こすことは少ないと思います。聞いた話ですが、両眼同時白内障手術を受け、前もって度数を計算して作成しておいた眼鏡をかけ、翌日から仕事をした眼科医がいるそうです。 よく見える左に未練がある場合、右のみ手術になるかもしれません。術後は左のコンタクトによる矯正が必要でしょう。右の手術を受けるまでに、左のコンタクトを練習しておきましょう。どうしてもそれが不便な場合は、左の手術を急いでもらってください。 手術まで時間がありますので、よく考えよく相談しながら決めてください。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2013-06-13 11:41
| 白内障
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