盲点が大きくなった |
Q 私は眼圧が高めなので、半年から1年に1回程度視野検査を行なっています。ハンフリー視野計だと思うのですが、中心のオレンジ色の光を見ていて、光が見えたらボタンを押す検査です。検査時間は片目で3分程度だと思います。 先日もこの検査を受けてきましたが、右目は盲点が真黒で教科書通りの結果でした。左目は盲点が少し薄くて上に向けて少し大きい丸のようになっていました。先生からは眼圧も両目とも18で正常、視神経も正常、視野検査も正常なので問題ないと言われました。 帰ってから左目の盲点が大きいのが気になり、本当に大丈夫か心配になってきました。検査をする時は右目から行いますので、左目をテープで隠して検査するのですが、右目の検査が終わってすぐに左目の検査をしますので、ぼやけて見えにくかった事も事実です。また、検査スタッフの方が新人さんみたいで目の位置なんかもいつもと違っていました。以前の検査の時も左目の盲点の左側に黒い部分があったのですが、問題ないと言われました。 そこで、お聞きしたいのが、正常な人でも視野検査が教科書的な完璧な結果が出ない事もあるのでしょうか? また、緑内障などで盲点が薄く上方に大きくなる事はあるのでしょうか? お忙しい事とは思いますが、アドバイス頂ければ幸いです。 A このブログのトップの眼底写真を見てください。中央やや右に黄色っぽい丸い視神経乳頭があります。それが盲点の正体です。ここには視細胞がありませんので光を感じません。 自動視野計の一般的なプログラムは、視野の中心30度に対応した網膜の感度を測定します。その範囲をくまなく測定することは出来ませんので、等間隔に76点を決めてその部分の感度を測定します。●のように格子状に測定する点が並んでいます。実際に測定する点は、図よりはるかに小さく、点の面積は測定範囲の網膜の面積の数パーセント程度ではないでしょうか。隙間だらけの測定で全体を推測しているのです。 □□□●●●● □□●●●●●● □●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● □●●●●●●●● □□●●●●●● □□□●●●● 76の測定点のうち1個だけが視神経乳頭に重なれば、その部分の感度はゼロとなり、小さな盲点として描画されます。 □□□●●●● □□●●●●●● □●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● □●●●●●●●● □□●●●●●● □□□●●●● ところが視神経乳頭の大きな人は2つ以上の測定点に引っかかり、大きな盲点になります。また普通サイズの乳頭の人でも頭を傾けて測定すると、測定点と測定点の間にちょうど乳頭がはまり込むようなこともあり、盲点が薄く大きくなったりします。 □□□●●●● □□●●●●●● □●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● ●●●●●●●●●● □●●●●●●●● □□●●●●●● □□□●●●● ということで、盲点が大きいとか薄いとかいうことは、あまり重視されないのです。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2012-06-13 19:11
| 緑内障
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