レーザー虹彩切開 |
Q 70代の母の事で相談します。目がかゆくなったので近所の眼科に行ったところ、急性の緑内障の発作の予防のためにレーザーで虹彩に穴を開けておくのが良いと勧められました。 かゆみ止めの点眼薬が無くなった頃に私も一緒に行って話を聞いてみたのですが、今は何の異常もないが少し遠視であることと、女性であること高齢であることのために発作を起こす可能性が高い。レーザーを当てるだけでその心配がなくなるのだから早くした方が良いとの事でした。白内障は少しあるものの手術するほどではないそうです。 本当に、急性緑内障の予防の手術は受けた方が良いのでしょうか、また副作用や危険は本当にないのでしょうか、もしくは、眼科で何か確認すべきことはないでしょうか宜しくお願い致します A 「少し遠視がある高齢女性」という事だけでレーザー手術を勧められたのなら、別の眼科を受診した方が良いでしょう。そうではなくて、「前房がこれだけ浅く、隅角がこれだけ狭く、放置すればこういう場合にこの部分がこうなって、その結果緑内障発作を起こす危険がある」と説明を受け納得したのなら、従うべきでしょうね。「「強い」遠視がある高齢女性」は眼の構造上、発作を起こしやすくなるのは確かです。しかし予防手術はあくまで発作を起こしやすい状態になっているのが前提で、安易に行なうべきものではありません。 レーザー虹彩切開は角膜を通してレーザー光線を照射します。角膜表面に比べて切開部位により近い角膜の裏面を覆っている角膜内皮細胞がダメージを受ける事があります。角膜内皮細胞は角膜の水分調節をしており、それが出来なくなると角膜はふやけて白く濁ってしまいます。その危険性と、放置する事による緑内障発作の危険性とを比較するわけです。 ちなみに当院でこの22年間で、緑内障発作の予防のためにレーザー虹彩切開をした人、またはその目的で他院紹介した人は3~4人です。また、白内障もあるために、レーザー虹彩切開をする代わりに、白内障手術を受けた人も数人あります。遠視の高齢女性は何百人か何千人か数え切れません。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2010-08-27 11:23
| 緑内障
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