一年生で弱視の治療は手遅れか |
Q 現在、小学1年生(7歳)です。幼稚園年中(4歳)の時に、右は1.0、左は0.7で「遠視性乱視」と診断され、眼科を受診しました。その眼科では「矯正視力が出ているから、問題ない。経過観察でいい」と言われ、半年に一度の受診を2年半続けてきました。しかし、今年の10月の検査で右は1.0、左は0.4になっていました。しかし、やはり同じ診断で経過観察で次は春休みに受診するように言われました。たまたま友達の子がやはり遠視性乱視で夏休みから眼鏡をかけたら、3ヶ月で裸眼視力が上がり、2~3年で眼鏡が外せると言われたという話を聞き、私もこのままだでいのか不安になり、別の眼科を受診しました。 この眼科では「就学するまでが勝負だから、もう手遅れかも。このままでは左目が弱視になる」と言われ眼鏡をすぐかけるように言われました。処方箋にはS(球面)は右が+1.50 左が+1.75 C(円柱)は右+0.75 左が+2.75 A(軸)は右が95度 左が85度でした。処方箋には「弱視」と書かれています。(この時の視力検査は左は0.7ありました)眼鏡を常用し、右目をアイパッチで隠すように言われ、DS等のゲームを思い切りやらせて左目を使う訓練をするように言われました。やはり、これくらいの度数だと、放っておくと弱視になるのでしょうか?もう手遅れの年齢なのでしょうか?また、ゲームは目には悪いと思っていたのですが、やらせるのも訓練なのでしょうか?2つの眼科であまりに診断が違うので、混乱してしまい、どうしていいかわからずにいます。 A 現在の眼科の指示通りにすれば問題ないでしょう。10歳ぐらいまで視機能の成長は続きますので、1年生なら決して手遅れではありませんよ。裸眼か矯正かわかりませんが、0.7出ているということですので十分です。 就学前には矯正視力が出ていても、裸眼視力が悪い場合、その後、矯正視力も悪くなってくる事があります。小学校の勉強が始まって目を使う事が多くなるからかもしれません。ちょうどそのタイミングで、現在の眼科にかかられたのではないでしょうか。ですから、眼鏡も決して遅くは無いと思います。ただし、そうなる可能性を早い段階で予測して、早めに眼鏡を作る方が本当は安心です。また、訓練も不要だったかもしれませんね。ところが実際には、なるべく眼鏡は掛けさせたくないという保護者が多いですので、はじめの眼科ではそのつもりで経過観察をしていたのではないでしょうか。「2つの眼科であまりに診断が違う」とは思えないのですが・・・ DSのようなゲーム機が目に悪いといわれるのは、近くを見続けることによって、近視や仮性近視になるといわれるからです。確かにその可能性は有りますが、もしそうなら、遠視+近視で正視になりますよ。冗談はおいといて、ゲームをさせる目的は、悪い方の目で細かいものを見させることで、視機能を成長させるためです。人間の眼は、ぼんやりしたものだけを見ていると、それが普通だと脳が認識して、細かいものを見る能力を失くしてしまいます。それが弱視で、ピントが合っていてもぼんやりしか見えません。ですから、眼鏡でピントを合わせて、反対の目で見てしまわないようにアイパッチをして、子供が簡単に集中できるものを見させるのです。良い方法だと思います。 弱視の治療は、経過観察も含めて10歳まで続きます。たとえ4歳から眼鏡をかけても同じです。その後は眼鏡をはずせます。しかし、裸眼視力が左右とも1.5になるという意味ではなく、矯正視力が十分に出て、眼鏡をはずしても弱視になる心配が無くなるという意味です。裸眼視力が上がったという、ご友人のお子さんの例が出ていますが、病名は同じでも、同じ状態ではないと思ってください。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2008-12-15 10:17
| 視力・斜視
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