網脈絡膜萎縮と強度近視 |
Q こんにちは。初めまして。 相談お願いします。 私は36歳、強度近視で-11Dのコンタクトを使用してます。 毎月眼底検査を受けてますが、先月、先生から”網脈絡膜萎縮”と言われました。(でも、先月発見されてのではなく、もう前からあったかもしれません) ネットで調べたら、治療しないといけないような事が書いてあったにも関わらず、先生は何も治療という言葉を言わなかったです。その代わり、将来矯正しても0.1くらいしか上がらないと言われ、大変ショックです。 この病気はどのような治療があるのか知りたいです。この病気は手術しないといけないのかも知りたいです。後、片眼性か両眼性かも知りたいです。たくさん質問してすみません。 A 網脈絡膜萎縮にも色んなものがありますので、あくまで、ご質問から推測できる範囲でお答えします。 近視が強い事。 今まで眼科医から特に説明を受けていなかったこと。 眼科医が治療のことについて触れなかった事。 にもかかわらず将来視力低下することの説明があったこと。 この4点から考えると、おそらく一般的な近視性の網脈絡膜萎縮だと思います。 人間の眼底には網膜という神経細胞の膜が一面に広がっており、それが光を感じて物が見えます。ところが1箇所だけ網膜が無い部分があります。視神経乳頭という、網膜の神経細胞から伸びる神経線維が集まって脳へと向かう部分には、網膜自体がありません。その部分は盲点として感じられ、右目は中央より右へ15度、左目は中央より左へ15度の部分が、見えない部分となっています。だれでも注意深く片目ずつ観察すれば分かります。 近視の強い目は、盲点である視神経乳頭の周りの網膜が萎縮して(ひからびて)くるのです。その結果、盲点が徐々に拡大し、中央にかかると視力が急に低下します。ただし中央から盲点にかけて見えないだけですので、完全に見えなくなる訳ではありません。中央に達しない網脈絡膜萎縮はありふれたもので、説明すらしないことが多いです。ですから、「将来矯正しても0.1くらいしか上がらない」というのはあくまで可能性があるという程度と考えてください。殆ど進行しない人も多いですよ。 確実な治療法はありません。循環改善剤やビタミン剤を使う事もありますが、効果は不明です。施設によっては、黄斑変性症類似ということで、アバスチンという薬の眼内への注射をするところもあるようですが、効果が少ない割りに危険が多いということです。オキュバイトというサプリメントを使う事もあります。黄斑変性症には効果ありといわれていますが、網脈絡膜萎縮に対する効果は未知数です。 病名だけから全てが分かるというようなことは絶対に有り得ません。網脈絡膜萎縮の人を100人集めたら、100通りの病状があり、100通りの説明があります。ここで書いたことは一般論であり、あなたの目に対しては10%しか当たってないかもしれません。どうして100%の情報を持っている主治医に聞かないのですか?勇気を出して聞いてみましょう。案外たいした事ないかもしれませんよ。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2008-06-27 11:40
| 網膜・脈絡膜
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