点眼で弱視治療(続) |
Q 「点眼で弱視治療(14DEC)」で相談させていただいた者です。早速のお返事ありがとうございました!こんなに早急に明解な回答をいただけるなんて感激で涙がでました。河野先生とインターネットに感謝です! 日本の眼科では、眼鏡装着の上一日中眼帯をつけるよう指示がありました。お風呂と寝るとき以外はずっと眼帯をつけるということでした。通常なら1ヵ月後と3ヵ月後に受診するということでした。3ヶ月で眼鏡もはずせるくらいになるのではないかとのことでした。台湾在住のため受診は難しいので、3ヶ月分の眼帯を買って台湾に戻ってきた次第です。 しかし、やはり「一日中眼帯」は危険なんですね。お話を聞けて本当によかったです。 台湾の眼科から処方された「目薬」のことも、良い目に目薬をさして視界をぼやけさせる、ということにとても抵抗を感じて、台湾の薬だし大丈夫だろうかととても不安に思っていましたが、河野先生のお話を伺いとても安心しました。月曜に左目、木曜に右目、の調子で1ヶ月半続けて再度受診するように言われています。 他に聞くすべもなく、どちらの診断に合わせて治療すればいいのか途方にくれていましたので、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました!今後もぜひお時間があればこうした活動を続けていただきたくお願い申し上げます。 A 弱視は、片目をはっきりと見えない状態にすると、その状態を普通だと脳が認識してしまって、視機能が低下する状態です。今回の件では2つの弱視が関係しています。一つは遠視および乱視によるもの、もう一つは眼帯によるものです。 お子さんの場合、遠視乱視はきつくありませんが、左右差があることで弱視傾向が出てきたものだと思います。しかし4歳でこの程度なら、メガネを掛けるだけでも改善する場合があります。視力検査においても、右を先に測ったら、左の矯正視力を測定するころには集中力がなくなってしまい、悪く測定されてしまう事もあります。当院で同様の事があったら、無処置で1ヵ月後に再診して、左を先に測定し検討します。今回の日本の眼科では、しばらく再診ができないということで、一度で診断を付けてしまったのではないでしょうか。 片眼帯による弱視は実際に起こります。ただし眼科医のもとでは普通は起こりません。例えば眼の周りの皮膚を火傷したとかで、何日も包帯をしていたりすると危険です。10歳ぐらいまで視機能は成長しますので、生後まもなくの新生児は別にして、小さいほど注意が必要です。弱視の発生状況は個人差がありますので一概には言えませんが、2歳以下では片眼帯はしませんし、3~4歳では1日程度が限度と考えています。また、メバチコ(ものもらい)などで、どうしても眼帯が必要な場合は、眼帯の中央に穴を開けて前が見えるようにします。眼科医によって基準は違うと思いますので、極端な方針でやっている眼科医もいるかもしれませんが、頻繁に経過観察をすることで、問題は起こらないと思います。 「月曜に左目、木曜に右目、の調子で1ヶ月半」というのは点眼でしょうか。もう一度確認した方が良いかもしれませんよ。 大事なお子さんの目です。きちんと説明が出来、適切に経過観察の出来る眼科で治療しましょう。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2007-12-17 23:23
| 視力・斜視
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