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河野眼科ホームページに寄せられた目に関する質問や相談にお答えするページです。なお、コメントを付けることはできません。河野眼科ホームページからお願いします。
by kounoganka
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授乳中の緑内障点眼


はじめまして。現在授乳中です。

妊娠中に緑内障の診断がおり、A眼科でアイファガン0.1%朝夕一回ずつ、タプロス0.0015%朝一回を処方されています。妊娠中マイナートラブルの為、B病院に入院し眼科も出産後しばらくお世話になりました。B病院の眼科では、点眼するにあたって、授乳することに関しても何も言われませんでしたが、最近A眼科に戻り再診してもらった時、授乳はやめて欲しいと言われました。

同じ目薬なのに言うことが違うのと、もうすでに授乳しているので戸惑ってます。(ちなみに乳量はあまりなく、1日に30cc程度しか与えられてません。)これらの目薬は授乳に影響があるのでしょうか?影響がある場合、どのような症状が現れるのでしょうか?教えてください。よろしくお願い申し上げます。

出来れば、微量ですが授乳はやめたくないのです…


その程度の量でしたら、普通はやめる必要は無いと思いますが、以下をお読みになってご自分で判断してください。

アイファガン
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2. 授乳婦
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット:経口投与)で乳汁中に移行することが報告されている。]
小児等への投与
1.低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(国内における使用経験がない)。
2.低出生体重児、新生児、乳児又は2歳未満の幼児には投与しないこと。[外国での市販後において、乳児に無呼吸、徐脈、昏睡、低血圧、低体温、筋緊張低下、嗜眠、蒼白、呼吸抑制及び傾眠があらわれたとの報告がある。]
3.外国での臨床試験において、0.2%ブリモニジン酒石酸塩点眼液を1日3回投与した場合2~7歳の幼児及び小児に高頻度(25~83%)で傾眠が認められている。


ラットに経口投与で乳汁に移行したのです。つまり点眼投与では移行しなかったということです。子どもに直接点眼した場合は、無呼吸、徐脈、昏睡、低血圧、低体温、筋緊張低下、嗜眠、蒼白、呼吸抑制及び傾眠が現れることがあるのです。点眼が乳汁に出るという報告も無く、授乳を中止というのは少々やりすぎの感じです。

タプロス
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。なお、動物実験では妊娠ラットに静脈内投与した場合、30μg/kg/日(臨床用量※の2000倍)では催奇形性及び着床後胚死亡率の増加がみられ、10μg/kg/日(臨床用量※の約670倍)では胎児の発育に対する影響(胎児体重の低値及び胸骨未骨化)が認められた。妊娠ウサギに静脈内投与した場合、0.1μg/kg/日(臨床用量※の約6.7倍)では流産、着床後死亡率の増加、黄体数・着床数の減少等が観察され、0.03μg/kg/日(臨床用量※の2倍)では催奇形性が認められた。妊娠・授乳ラットに静脈内投与した場合、1μg/kg/日(臨床用量※の約67倍)では母動物の哺育不良及び出生児の4日生存率の低値が認められた。また、摘出ラット子宮を用いた実験では、臨床用量※点眼投与時の推定血漿中濃度(30pg/mL未満)の約3.3倍、タンパク結合率にて換算した推定血漿中非結合型薬物濃度(0.24pg/mL未満)の約420倍で、子宮収縮への作用が認められている。]
※本剤0.0015%を60kgの患者の両眼に1回1滴(30μL)を点眼投与したときの投与量(0.015μg/kg/日)
2.授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット:点眼投与)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。


こちらは点眼投与で乳汁へ移行が報告されているのですが、使用経験がないという理由で授乳を中止するよう書かれています。何かが起こるから禁止されているわけではありません。

で、結局どうすればよいのか。
1.添付文書の指示通り授乳を中止;これが建前上は正しいのでしょう。眼科医は何も考えずに書かれてある通り指示するだけです。眼科以外のことは全て無視。点眼の変更なんか必要なし。母乳の必要性も関係なし。母乳の量が少ないことも、点眼の方法を工夫することも考慮する必要なしで、眼科医にとって一番楽な方法です。

2.授乳中は別の点眼に変更してもらう。もしどうしても授乳を続けたく、またご自身が点眼することに不安を覚えるなら相談してみてください。もちろん効果は落ちるでしょうが、もう少し安全な点眼も探せば見つかるでしょう。

3.点眼方法を工夫する。点眼後数分間、目頭を押さえて、点眼液が鼻から喉へ流れないようにする。どれだけ効果があるかわかりませんが、誰でも実行できる方法です。

4.気にせず点眼する。普通の眼科はこれでしょう。乳汁移行は超微量ですし気にするのが不思議なぐらいです。ただしそれで何か起こった場合は眼科医は責任を問われます。起こったという話は聞いたことがありません。当然この方法で問題が起こっても当方は一切責任を持ちません。

A眼科の方針は1なのでしょう。そこで授乳しながら治療を続けるのであれば、2を検討してもらうか、勝手に3を実行するか、4で行くかです。

自分の奥さんがこの立場なら4です。患者さんに対しては3ですね。不安を訴える人には2でしょう。疑り深い患者さんには、ややこしいので1の指示です。

★ご質問は河野眼科ホームページから
by kounoganka | 2014-04-14 16:57 | くすり
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