PD(瞳孔間距離)と眼鏡処方 |
Q (申し訳ありませんが、かなり割愛させていただきましたのでご了承ください) 裸眼で乱視が-2.00以上ある場合は、通常、乱視はどれくらい入れるべきなのでしょうか。 瞳孔距離(PD)についてお尋ねします。PDというのは、変わるのでしょうか。0.5不足、もしくは増加しても、影響はないのでしょうか。 PD変更した眼鏡を作成し光の滲みが軽減しましたのは、PD変更と関係あるのでしょうか。眼鏡を作製する上で、勿論、度数も重要ですが、PDはもっと重要であると言われていますが、ちなみに、PDというのは、測定して出た数値から、0.5減らしても、焦点がぶれてしまうこともあるのでしょうか。 それと、優先眼というのは変わる事もあるのでしょうか。 A 正確に矯正するためには、乱視の度数は測定したそのまま入れるのが理想です。それによって歪みや滲みのない像が網膜に結ばれます。ところがそれではきつすぎると感じる人が多く、弱い度数を入れる場合がほとんどです。生まれてから何十年も乱視のある状態で見続けていますので、脳がそれを普通だと感じているのです。 頭蓋骨に目玉がはまっていて、その目玉がまっすぐ遠くを見ていたら、目玉の位置は一定なので瞳孔間距離は一定で、変わりようがありません。遠く用の眼鏡は、レンズの中心をそれにあわせて作成します。 ところが、その眼鏡で近くを見るとどうなるでしょう。目を寄せますので実際の瞳孔間距離は縮まり、さらに眼鏡の位置ではもっと縮まります。遠く用に比べ数ミリ小さいPDの眼鏡が必要になります。 通常の眼鏡をかけている方は、一つの眼鏡で遠くも近くも見ますので、見る距離によって実際の瞳孔間距離が変わり、中心間距離の固定した眼鏡とのアンバランスが常に生じているのです。レンズのプリズム作用も生じます。それでも何とも無いのです。ですから0.5ミリの過不足ぐらいでは普通は何の問題も起こりません。眼科を受診せずに眼鏡を作成し、5ミリ程度PDのずれた眼鏡をかけている人もざらに居ます。当院でも0.5ミリ単位の処方箋は書きません。 もしPDの0.5ミリの違いを感じることが出来るとしたら、「並外れた鋭敏な感覚を持っている」か、または「暗示にかかりやすく思い込みが激しい」かのどちらかでしょう。光の滲みが軽減したのは、PD変更とは無関係でしょう。材質とかコーティングに違いは無いでしょうか。 「眼鏡を作製する上で、勿論、度数も重要ですが、PDはもっと重要である」とは専門家は誰も言いません。「眼鏡を作製する上で、勿論、度数も重要だが、PDも重要である。状況によっては重要度は逆転することがあるかもしれない」程度に考えてください。 「0.5減らしても、焦点がぶれてしまうこと」はありません。眼鏡のレンズは中心だけが鮮明で中心を少しでも外れると焦点がぶれているでしょうか。大昔のレンズじゃあるまいし、最近のレンズはかなり端の方まで鮮明です。 「優先眼」という言葉は初めて聞いたので検索しました。「優位眼」「利き目」とは違うようですね。その言葉を使っている方はお一人だけのようですし、メールアドレスもあるようですので、そちらで御相談ください。当方は関知しません。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2012-12-22 15:28
| 視力・斜視
|
<< 光視症の疑問 | 大きくみえたり小さくみえたり >> |