妊娠中の点眼 |
Q はじめてご相談します。 今、アレルギー性結膜炎治療で下記点眼液を処方されております。 ・インタール点眼液2% ・リボスチン点眼液0、025% 妊娠したのですが、妊娠8週目までは胎児に影響があるので使用しないほうが良いと眼科の先生に以前言われたのですが、9週過ぎたら使用してもよいのでしょうか?ご意見をお聞かせ下さい。宜しくお願いします。 A 処方した眼科医の指示に従ってください。いくつかの点眼の添付文書を確認してみました。 インタール点眼液2% 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ウサギ1)、マウス2))で母体に毒性があらわれる大量の注射により胎仔毒性(胎仔吸収、体重減少等)の報告がある。] 30年近く販売され続けている抗アレルギーの定番です。「母体に毒性があらわれる大量の注射」をしなければ影響は無いと考えられます。 リボスチン点眼液0.025% 妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験1)(ラット)で、レボカバスチン80mg/kg経口投与(臨床投与量の 33000倍以上に相当)により、胎児死亡及び催奇形性(多指、水頭、過剰中足骨及び無眼球)が報告されている。] インタールとはまた違う種類の抗アレルギー剤です。「催奇形性」の記載があり、ちょっと心配な感じですが、「臨床投与量の 33000倍」です。こんな大量投与は考えられません。しかし、どうしても心配なら避けた方が良いでしょう。気持ちの問題だけですが。 AZ点眼液0.02% 40年以上販売され続けている抗炎症剤です。妊婦に対する注意書きは無く、安全だと考えられます。ただし効力は小さく、あまり効かない場合も多く、抗アレルギー剤の補助として使われる事が多い。もちろんこれのみで十分足りている方もあります。 フルメトロン点眼液0.1% 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には長期・頻回投与を避けること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない] これは副腎皮質ホルモンですから、元々体内で出来るものを補助するものです。体質的に眼圧が上昇する人(ステロイドレスポンダー)以外は危険はないでしょう。フルメトロンを忌み嫌う方がありますが、これは妊娠中の点眼としては安全な部類です。 妊娠初期の臓器形成時期には、精神衛生上も避けた方が良いと思いますが、それが8週なのか9週なのかは処方する医師が決める事でしょう。「内服と違って点眼では胎児に影響が及ぶとは考えられない」と断言する学者もいますので。 ところで、アレルギー性結膜炎の治療が不十分で細菌等に感染してしまった場合、内服薬を使うことになるかもしれません。こうなると点眼とは比較にならないほど危険な内服を使う事もあり、こちらの方が遥かに問題ですよ。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2011-04-02 15:36
| くすり
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