増え続ける残像様の暗点 |
Q 2型糖尿病歴24年 単純網膜症あり レーザー治療歴なし 3年ほど前から、光の残像に似た暗点が両眼の視野にでき、次第に増えています。本を読むとその部分は文字が欠けていますし、パソコン画面上ではその部分ではマウスカーソルが見えなくなります。ですから残像というより暗点と呼ぶべきかと思います。ただし、幸い両目の暗点がそれぞれ視野の異なる位置にあり、両目の暗点が重なって見える部分がないので、両目で見る限りは見えないところはありません。 この暗点はインスリン治療を始めた半月後から現れ、その後2~3週に一つずつくらいの割合で増え続けており、現在では片目で大小合わせて2~30個ほどあります。場所は視野の中心に集中していますが、最近はその周りを取り囲むように比較的大きな同様の暗点ができてきました。またなぜか朝起きたときに特にはっきりと分かります。また明るい部屋から暗い部屋に移動したときなど、黄色い残像が広範囲にたくさん見え、景色がしばらくよく見えなくなります。 暗点の場所は正確に同じです。移動したり見えなくなったりすることはありません。ただし、暗点の光り具合(光っていると言うよりあくまで残像)は、暗点のできはじめに強く光り、2~3日で次第に暗くなりそのまま落ち着きます。でも消えません。 内科の主治医にこの症状について相談した結果、大学病院の眼科を紹介してくださいましたが、糖尿病網膜症以外には何の異常も発見されず、眼科医には「それは病気じゃない」「仮に糖尿から来ているとしても、眼科的には手の打ちようがない」といわれました。緑内障の所見も黄斑部の異常も見れないとのことでした。インドシアニングリーン蛍光眼底検査の必要はないか訊いてみましたが「そんなことより血糖値のコントロールを!」とのことでした(なお最新のHbA1cは7.3です。ここ5ヶ月ほどこれくらいで、それ以前は8台でした)。その後も大学病院から紹介された眼科で、後部硝子体剥離による光視症をうたがって網膜断層撮影を受けたりもしましたが、牽引は見られませんでした。 しかし、このまま暗点が増えていけば、ますますものが見にくくなるのは明らかです。いつか失明と同じ状態になるのではないかとの強い不安もあります。しかしもはや万策尽きてしまった感があり、河野先生にご相談差し上げる次第です。この状況で、考えられる病名や有効と思われる検査は何かありますでしょうか? A 申し訳ありません。大学病院および紹介された眼科で十分な検査を受けられていますので、それが結論ではないでしょうか。それでも不安な場合は、現在の眼科で訴えて、更に調べてもらうしかないと思います。あるいは全く別の眼科を受診してみるのも良いと思いますが、一から検査のやり直しになりますので大変ですよ。(それから「○○検査をしてください」と検査を指定するのはやめたほうが良いですよ。症状を聞いてどんな検査が必要か判断するのは医師の仕事であり、経験をつまなければ不可能です。) ここでちょっと見方を変えてみます。物が見えるというのは目だけの働きではありません。目、視神経、脳が連携して働くことによって見えるのです。目および視神経は異常無さそうですので、脳を調べてもらったらどうでしょう。視野検査で感知できないほどの症状ですので異常なしという結果になるかもしれませんが、もしかしたら微小梗塞などが出来ているのかもしれません。あくまで脳神経外科素人の眼科医の言う事ですので、聞き流してもらって構いません。責任は持ちません。 ★ご質問は河野眼科ホームページから |
by kounoganka
| 2011-01-26 10:01
| 網膜・脈絡膜
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